タン塩と牛タンのちがいを解説

炭火で焼かれる牛タン
LINEで送る
Pocket

タンを使った代表的な料理には、タン塩と牛タンがあります。この二つは同じように見えて、いくつもの違いがある別物の料理です。

ではそのタン塩と牛タンにはどういった違いがあるのか、詳細な部分まで解説をしていきましょう。

肉質に大きな違いがあり

使われる肉の部位の違い

タン塩と牛タンの大きな違いとして挙げられるのが、それぞれの料理に使われているタンの肉質の部分です。実はタン塩と牛タンは、根本的に使われている部位が違います。

牛の舌は先端に行くほど肉質は硬くなり、逆に根元に行くほど柔らかくなります。タン塩で使われているのは舌の真ん中からやや先端寄りの部分であり、少し弾力があるのが特徴です。それと比べて、牛タンで使われているのは舌の根元寄りの部位です。

この肉の部位の違いによる肉質の差によって、同じ牛の舌を使った料理であっても明確な味の違いが出てきます。

肉がカットされる幅

使われる肉の部位が違うとともに、その肉がカットされる幅もタン塩と牛タンの違いとして見ることができる部分です。

タン塩のカットされる幅は比較的薄めであり、基本的に5ミリ以下のものが提供されることが多いです。これは肉質的に弾力のあるものが使われるため、薄く切ることで食べやすい形状にしています。

そのカットの厚さの点で牛タンを見てみると、タン塩とは真逆で1センチ以上2センチ未満の厚さでカットされることが多いです。柔らかい肉質のタンが使われているので、分厚くカットした方が美味しく食べ応えもあります。

調理に関しての差

仕込みの有る無しで違いが出る

調理の方法という観点で見ても、タン塩と牛タンには差が生まれている部分があります。

まず牛タンの方は焼くという調理をする前段階として、仕込みの作業があります。仕込みは肉を寝かせて熟成させ、肉質をより柔らかくする目的や下味をタンに染み込ませるためです。一方のタン塩は、通常は下処理をして薄く切ってすぐに提供されます。

この仕込みという熟成の期間が有るか無いかで、焼いた後の食感や風味に違いが出てきます。そのため塩タンはあっさりとした味をしており、牛タンはジューシーでコクのある味わいを感じることができるのです。

専門的な調理技術の差

もう一つ、牛タンとタン塩の調理の違いに関して着目しておくべきなのが、専門的な調理技術が必要かどうかという点です。

タン塩は焼肉屋さんで生肉が提供されて、それをお客さんが自分で焼くというスタイルが一般的です。それに対して牛タンの方は、専門の職人がちょうど良い火加減や塩梅で牛タンを焼いて提供してくれることがスタンダードとなっています。

牛タンは素人では出せない職人技術による焼き方や味付けができる分、タン塩に比べ安定した美味しさのものを食べることができます。ただしタン塩は自分で焼く分、自ら焼き加減を調整できるというメリットがあります。

食文化の観点から見た違い

タン塩の発祥について

牛タンとタン塩は、そのメニューが生まれた歴史的背景や食文化の部分についても違いがあります。まずはタン塩の方からその発祥について知っていきましょう。

タン塩が生まれたとされるルーツには諸説ありますが、一番有力なものであるのが有名焼肉店である叙々苑によって1980年代に生み出されたという説です。さらにレモンをかけて食べるという現在のタン塩のスタイルも、この頃の叙々苑が発祥とされています。

後述しますが牛タンのルーツは戦後にまで遡ることができるため、タン塩は比較的最近になって登場したメニューだと見ることができます。

牛タンには長い歴史がある

牛タン、特に本場である仙台の牛タンの歴史が始まったのは、戦後まもなくのことです。仙台の料理人が現在の牛タンの調理方法を確立したものが、現在の牛タンのルーツになっています。

本場の牛タンは、タン単品だけが提供されるのではなく、麦飯、とろろが付いてきます。場合によってはそれに加えてテールスープが出てくることもあります。この定食スタイルが作られたのは1950年であると考えられているため、かなり昔です。

このように牛タンは塩タンに比べて30年程度の歴史の違いがあり、その長い歴史によって味付けのノウハウが蓄積されて現在のクオリティに至っています。ですので牛タンの味には、肉の美味しさだけではなく歴史の深みも加わっていると考えて良いでしょう。

まとめ

塩タンと牛タンは似て非なるものであり、同じタンを使った料理であっても肉質から調理、そして歴史自体も大きな違いがあります。

塩タンにはあっさりとした風味や薄く弾力のある肉の食感の美味しさがありますし、牛タンには肉質が柔らかで分厚く食べ応えがあるなどの美味しさがあります。それぞれの良さの違いを理解し、その時の気分によって食べ分けると良いでしょう。

その他の牛タンに関する記事はこちら → タン塩と牛タンのちがいを解説